「夏虫疑氷(カチュウギヒョウ=渦中戯評)」・「獅子、身中の虫」?

 2782日目・文字霊日記
 「かえる」の鳴くこの頃・・・
  ↓↑ ↓↑
 鳧=鳥+几・・・几=キ・つくえ・ひじかけ・・・比字掛?
 ↓↑       脇息(きょうそく)・台・机
          ヒジを置いて休息する道具
 ↓↑      「几案之才」・「明窓浄几(欧陽脩・試筆)」
 フ
 けり
 かも
 野がも。カモ科の水鳥・・・鴨
 けり・チドリ科の水鳥・・・千鳥・鴴・鵆・千登里
 ケリ(鳧・計里・水札)
 「ケリリ」と鳴くことが名前の由来
 チドリ目チドリ科タゲリ属に分類される鳥類の一種

f:id:naie:20190918011501j:plain ↓↑
 国巡る
 獦子鳥(あとり)
 鴨(かま)
 気利(ケリ)
 行き廻り
 帰り来までに
 斎ひて待たね
 (刑部虫麻呂・万葉集20・4339)
 ↓↑
 国巡(めぐ)る
 獦子鳥(あとり)
 鴨(かま)
 鳧(けり)
 行き廻(めぐ)り
 帰(かひ)り来(く)までに
 齋(いは)ひて待たね
 (刑部虫麿・万葉集20)
 ↓↑
 アトリ(獦子鳥・花鶏)
 鳥綱スズメ目アトリ科アトリ属
 ↓↑
 あとり=獦子鳥=カッシチョウ
     花鶏=カケイ
 ↓↑
 日本には
 冬鳥として
 秋にシベリア方面から渡来
 日本海より山形県富山県等に飛来し
 それから各地に散らばる
 渡来する個体数は年による変化が大きい
 ↓↑
 「鳧(けり)=鳥+几」・・・読み=よみ=黄泉・夜見
 音読み=「フ・ブ」
 訓読み=「かも」
     「けり=鳥の名」
      過去の意を示す助動詞の「けり」
      鳧の字をあてる
      きまり・かた・終止・決著の意
 ↓↑    
 「けり=履物をいうアイヌ語
     ・・・くつ=靴・・・くつ=沓=「水+日」?
 ↓↑
 「4339 刑部虫麻呂」 巻二十 (うち防人歌)
       ・・・高橋連蟲麻呂?
       ・・・谷潜乃=「たにぐく」の=蟾蜍の
       ・・・多邇具久(たにぐく)=ひきがえる
 ↓↑
 久尓米具留・・・・国廻(くにめぐ)る
 阿等利加麻氣利・・あとりかまけり
 由伎米具利・・・・行き廻り
 加比利久麻弖尓・・帰(かひ)り来(く)までに
 已波比弖麻多祢・・斎ひて待たね
          右一首 刑部 虫麻呂
 ↓↑
 刑部虫麻呂(おさかべの むしまろ)
       駿河国の防人
       755(天平勝宝七)年
       筑紫国に派遣されていた
 ↓↑
 け(来)・り=自ラ変
        動詞「く(来)」の
        連用形「き」に
       「あり」が
        接続した「きあり」の変化
        来ている・やってきた
 ↓↑
 けり(助動)=活用
        「けら・けり・ける・けれ・けろ」
        用言の連用形に付く
        過去の助動詞
 ↓↑
 けり=事実としては存在していたにもかかわらず
    それまで気づかれていなかったことに
    気づくことを表わす
    発見を表わす
    ~いたのだな・~たのだな
 ↓↑
    すでに気づいていることであるが
    なぜ起こっているのか
    分かっていないことについて
    こういう条件があれば
    そうなるのが道理であるという
    筋道を見いだして、納得することを表わす
    それで~ていたのだな
    そういう訳で~たのだな
 ↓↑
    すでに聞き手にもよく知られている
    神話、伝説、真実、一般的真理などを
    とりあげ
    それが話手・聞手の共通の認識であることに
    注意を喚起し、再確認する意
    ご存知のように~です
 ↓↑
    語りのなかで、新たに提示する出来事に
    確たる存在性があることを示す
 ↓↑
    ある物事が
    成り立つ時間に
    関係のない
    属性・性質をもつことを表わす
    背景や原因・理由などを示す
 ↓↑
   「古事記(712)上・歌謡
   「赤玉は 緒さへ光れど 白玉の
    君が装(よそひ)し
    貴くあり理(ケリ)」
   「古事記(712)下・歌謡
   「引田(ひけた)の
    若栗栖原(わかくるすばら)
    若くへに 率寝(ゐね)てましもの
    老いに流(ケル)かも」
 ↓↑
    きまり・かた・終止・決著の意
 ↓↑
    水札(ケリ)・・・推察=スイサツ・・・?
 ↓↑
    木札が縁起物・・・札の幌
    ・・・かるた・歌留多・骨牌・加留多
      の木札
       北海道は「下の句かるた」
       取り札に書いてある
      「下の句」を読み上げ
       木札をトルのが北海道流
       北海道独特の遊び方
       下の句かるた
       取る札が木(板)
      「板かるた」とも
       開拓時代に
       屯田兵によってもたらされた・・・
       それ以前から
       羽幌方面の人たちが遊んでいた
 ↓↑
 文化文政(1804~1829年)頃
 会津若松藩で
 板かるた
 が武家や商家で行われた・・・
 「下の句を読みて下の句を採る習ひあり」
  取り札が「木の板」
  それに独特の書体で文字が書かれている
 ↓↑
 国廻る
 あとり
 かまけり
 行き廻り
 帰り来までに
 斎ひて待たね 「刑部虫麻呂」
 ↓↑
 父母
 え斎ひて
 待たね
 筑紫なる
 水漬く
 白玉取りて来までに 「川原虫麻呂」

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 ジャンプ
 ホップ・ステップ・ジャンプ=the hop, step, and jump
 カエルの三段跳び・・・変える三段論法・・・
 ↓↑
 ヒキ(蟇蛙)
 ガマ(蝦蟇)ガエル
 ガマ、イボ(疣・肬)ガエル
 蟇蛙、蟇、蟆
 などの異称をもち
 漢名を
 蟾蜍(センジョ)
 西王母(セイオウボ)の
 秘薬を盗んだ
 姮娥(コウガ)が
 月に逃げて
 ヒキガエルになった
 「後漢書

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ーーーーー
 ・・・???・・・
 多邇具久(たにぐく)=谷潜=ひきがえる・・・引き換える?
 ↓↑          多(おほの)
            邇(近い・近いところ・近づくに・ニ・ジ)
            具(そなえる)
            久(ひさしい)
           「邇邇芸命=ににぎのミコト=瓊瓊杵尊
 ↓↑           ↓↑
            在邇求遠(ザイジキュウエン)
            正道は身近なところに求めるべきなのに
            人は遠いところにあるものを求めようとする
            親や年長者など相応に敬うなど
            身近なことから始めれば
            結局天下はうまく治まる
 ↓↑         『孟子(離婁・上)』
 日本神話に登場する神
 谷蟆、谷蟇
 の字を当てて
 ヒキガエル・・・引き換える?
 クク=ヒキガエルの鳴き声の擬声語
 ↓↑
 多邇具久=タニグクの語源
      谷潜り(たにくぐり)の意
      ・・・「谷潜=ヤセン・コクセン」
     「クク」は
     「ヒキガエルの鳴き声の擬声語
     ヒキガエル
     熊本県北部では「タンガク」
     和歌山県熊野では「タンゴク」
     「タニグク」の訛である・・・
 ↓↑   ↓↑
    「谷蟆とは
     傀儡子(くぐつ)の事ではなかろうか」
    「クグツは
     蟆人(くくびと)の義ではなかろうか
     (喜田貞吉)」と述べている・・・?
     ナゼ「傀儡(くぐつ)」なんだか・・・具沓(舄・靴・履)?
       「傀儡(カイライ)政権」・・・・歌意等意?
 ↓↑   ↓↑
     蟆子(ブユ)=ハエ(蝿)目ブユ(蚋)科の昆虫の総称
     あぶ(虻・蝱)=双翅目アブ科に属する昆虫の総称
     はえ(蠅・蝿)=ハエ目(双翅目)に属する昆虫のうち
             ハエ亜目(短角亜目)
             環縫短角群
           ハエ下目(Muscomorpha)に属するものの総称
           ハエ目イエバエ科、クロバエ科などの昆虫の総称
             ・・・「はえいろね=蝿伊呂泥=倭国香媛
                      =紐某姉(はえいろね)
                      意富夜麻登久邇阿札比売
                 はえいろど=蝿伊呂杼

                      =紐某弟(はえいろと)
                 二人は孝霊天皇の妃」
     具+沓(水+日=靴・履・舃・舄)?
 ↓↑   ↓↑
     喜田 貞吉(きた さだきち)
     阿波国
     那賀郡
     櫛淵村
     に生まれる
   1871年7月11日(明治4年5月24日)

               ~1939年(昭和14年)7 月3日)
 ↓↑   ↓↑
     辛未(丁乙己)偏印・偏財 墓⇔己卯
     乙未(丁乙己)食神・偏財 墓⇔庚午
     癸丑(癸辛己)  ・比肩冠帯⇔辛丑
      寅卯空亡   大運1939年8月 戊子 ・正官
     戊午(丙 丁)正官・正財 絶⇔甲午
 ↓↑
 四年壬申
 藤原宇合卿の
 西海道節度使に遣はさるる時
 高橋連「虫麻呂」・・・同名の人間が存在するのは
 ↓↑          不思議じゃぁないが「ムシ麻呂」
    「ムシマロ」&「浦島太郎」&「乙姫・亀・鯛」?
            高橋「虫麻呂」・・・ 蟲〇=おまる
            刑部「虫麻呂」・・・ 蟲〇=御虎子
            川原「虫麻呂」・・・ 蟲〇=簡易便器
            蟲々
           「獅子、身中の虫」
           「虫が好かない」
           「虫が知らせる」
           「虫が付く」
           「雪の明日は裸虫の洗濯」
           「夏の虫、氷を笑う」
           「蓼の虫は蓼で死ぬ=蓼の虫葵に移らず」
            夏虫疑冰(カチュウギヒョウ)
            夏虫疑氷(カチュウギヒョウ)
            身中之虫(シンチュウのムシ)
            彫虫篆刻(チョウチュウテンコク)
            雕虫篆刻(チョウチュウテンコク)
 ↓↑          蓼虫忘辛(リョウチュウボウシン)
 の作る歌一首 并せて短歌
 ↓↑
 ・・・ナンで「万葉仮名」を以下のような
    文章にできるんだか不思議・・・
 ↓↑   ↓↑
 白雲の 龍田の山の 露霜(つゆしも)に
 色づく時に 打ち越えて 旅行く君は
 五百重(いほへ)山 い行(ゆき)さくみ
 賊(あた)守る 筑紫(つくし)に至り
 山の極(そき) 野の極(そき)見よと
 伴(とも)の部(べ)を
 班(あかち)遣(つか)はし
 山彦(やまびこ)の 答へむ極(きは)み
 蟾蜍(たにぐく)の さ渡る極(きは)み
 国形(くにかた)を 見(めし)たまひて
 冬こもり 春さりゆかば 飛ぶ鳥の
 早く来まさね 龍田道(たつたぢ)の
 岡辺(をかへ)の道に 紅躑躅(につつじ)の
 にほはむ時の 桜花 咲きなむ時に
 山たづの 迎へ参(まゐ)出む
 君が来まさば(6-971)
 ↓↑
 反歌
 千万(ちよろづ)の軍(いくさ)なりとも
 言挙げせず
 取りて来きぬべき男(をとこ)とぞ思ふ(6-0972)
 ↓↑
 原文
 白雲乃・・・・・白雲の
 龍田山乃・・・・龍田山の
 露霜尓・・・・・つゆしもに
 色附時丹・・・・赤(丹)く色づくとき
 打超而・・・・・それをうち越えて
 客行<公>者・・・お出かけになるあなたは
 五百隔山・・・・幾重にも重なった山を
 伊去割見・・・・踏み分けて行き
 賊守・・・・・・敵の侵入を防ぐ
 筑紫尓至・・・・筑紫に至り
 山乃曽伎・・・・山の果て
 野之衣寸見世常・野の果てまでも監視せよと
 伴部乎・・・・・部下たちを
 班遣之・・・・・方々(班)に遣わし
 山彦乃・・・・・山びこの
 将應極・・・・・将に応える限り
 谷潜乃・・・・・蟾蜍(蟇蛙・たにぐく)の
 狭渡極・・・・・渡る極みの限り
 國方乎・・・・・国土を
 見之賜而・・・・ご覧になって
 冬<木>成・・・・冬木に成り
 春去行者・・・・春が去り行き
 飛鳥乃・・・・・飛ぶ鳥のごとく
 早御来・・・・・早く帰ってください
 龍田道之・・・・龍田道の
 岳邊乃路尓・・・岡の辺の道に
 丹管土乃・・・・赤いつつじが
 将薫時能・・・・将に咲き映えるとき
 櫻花・・・・・・桜の花
 将開時尓・・・・将に開花するときに
 山多頭能・・・・山たづの=接骨木・庭常’(にわとこ)
         スイカズラ科の落葉低木
 迎参・・・・・・お迎えに参事
 出六(公)之・・・出むし?
 来益者・・・・・来たるは歓迎いたします
 ↓↑
 反歌
 千萬乃・・・・・千万の
 軍奈利友・・・・軍なりとも
 言擧不為・・・・言挙げせず
 取而可来・・・・取りて来ぬべき
 男常曽念・・・・男とぞ思ふ(972)
 ↓↑
 任地へ旅立つ藤原宇合
 高橋虫麻呂
 龍田山のふもとまで見送り
 別れの際に詠んだ
ーー↓↑ーー
 鳧=けり
 ↓↑
 過去の助動詞「けり」に当てて用いられる字
 きまり・決着・結末
 「かたをつける」
 「結末がつく・終結する・決着する」
 「けり」を「けろ・ケリ・ける・けれ・けろ」
       ・・・田圃のカエル(蛙)の鳴き声?
       タゲリ(田鳧)
        ケリ(鳧・計里・水札)の名前由来
          「ケリリ」と鳴くので・・・?
 「かり・きり・くり・ケリ・こり」
            名-「ごり=石伏魚・鮴・凝・垢離・懲・語理」
 名-「ごり=石伏魚」・・・石(丆+口・いわ・いし・セキ)に(を)
               「丆=面」の口・・・
              丆(鋤・鍬)で口(〇・穴・井戸)を掘る
               丆(梃子棒)で口(〇=石)を動かす
             伏(ふせる・ふす・ふし・フク)
             魚(まな・うお・さかな・ギョ)
             磐(巖・岩・違和)
             or
             石(意思・意志・医師・遺子・異誌)に
             真名を
             伏せる・・・?
 ↓↑
 なごり=名残
     当て字で、語源ではない
     「なごり=余波」で
     波が打ち寄せたあとに残る
     海水や海藻を意味する
     「なみのこり(波残り)」
     余韻や影響など
     何かの事柄の後に残るものを
     「なごり」
     「お名残おしい」

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 「波+残り」
 なごり=余波=風が止んだあとに残っている波
     潮が引いたあとに残る海水
     物事が終わったあとに
     それを思い起こさせるものが残っていること
     別れたあともその人の強い印象が心に残る
 名残惜しい=なごりおしい
       波残り(なみのこり)
       波が打ち寄せた後の海水や海藻
 ↓↑
 「あな名残惜しやな(あななごりおしやな)」
 ↓↑
 なごり=ある事柄が過ぎ去った後
     なおそれを思い出させる
     気配や余韻・影響
     人との別れを惜しむ気持ち
     去った人や亡くなった人を
     思い出す「よすが(縁)」となるもの
     故人の形見や子孫
     残り・残余
     物事の最後・名残り
 ↓↑
 「けり=鳧がつく」
 ↓↑
 「余波=なごろ・なごり」
 ↓↑
 13日目・十三夜月・十三日月
 豆名月・栗名月・後の月(のちのつき)
 月の名残(つきのなごり)
 陰暦で毎月十三日の夜の事
 旧暦の九月十三日の夜の事
 八月の十五日に対して
 後の月(のちのつき)と呼ばれ
 十五夜の「月」についで
 「月」が美しいとされ
 十五夜
 芋名月(芋を供える)に対し
 九月の十三夜は
 枝豆や栗を供え
 豆名月、栗名月とも呼ばれる
 ↓↑
 早くを「はしり」と称したり
 遅くして「なごり」
 ↓↑
 塩梅=按排=按配=あんばい
   (按排・按配)
    物事のぐあい・ようす
    程合いを考えて
    程よく並べ
    ととのえたり処理したりすること
 ↓↑
 「さらばよ」
 「また逢はばや(またあはばや)」
  の転
 「あばよ」
 ↓↑
 「ああ、あれは」
  という感動を示す語
 「あは」に
  助詞の
 「よ」がついたもの・・・
 ↓↑
 「按配よう(あんばいよう)」
 の略語という説・・・
 ↓↑
 加減よく・上手に・都合よく
 get along
 「あんばい」=「あわい(間)」の意
 「あんばい」=健康や天候の間についていう
ーーーーー
 ・・・???・・・